原付(~50cc)の法定最高速度
道路交通法上の原付(排気量が50cc以下)の法定最高速度は、30kmです。
※道路運送車両法では、原付一種
これは車の法定最高速度が40kmの道路でも、60kmの道路でも同じで、原付は30kmまでしか出してはいけません。
道路交通法施行令では、以下のように定めています。
(最高速度)
第一一条 法第二十二条第一項の政令で定める最高速度(以下この条、次条及び第二十七条において「最高速度」という。)のうち、自動車及び原動機付自転車が高速自動車国道の本線車道(第二十七条の二に規定する本線車道を除く。次条第三項において同じ。)以外の道路を通行する場合の最高速度は、自動車にあつては六十キロメートル毎時、原動機付自転車にあつては三十キロメートル毎時とする。出典:道路交通法施行令 第一一条
最高速度が30kmですので、それよりも1kmでも速く走れば違法で、警察に取り締まりされる可能性があります。
ただ、実際にはこの法定最高速度を守っている人は少なく、30~50kmぐらいで走っている人が多いようです。
10kmぐらいの速度超過であれば捕まる可能性は低いですが、絶対にセーフということはありません。
20kmも速度超過していれば、捕まる可能性は格段に上がるでしょう。
原付二種(51~125cc)の法定最高速度
道路運送車両法の区分で原付二種とされる51~125ccのバイクは、道路交通法では普通自動二輪の区分であるため、法定最高速度は60kmです。
法定最高速度とは、標識や表示によって最高速度が指定されていない時の最高速度のことですので、横浜新道のような原付及び小型自動二輪車の走行が可能で、制限速度が70kmのような道路であれば、70kmまでは出すことができます。
ただし、制限速度が60kmを超える道路では、ほとんど原付二種の走行が禁止されているので、原付二種は60kmまでしか出してはいけないと覚えおいても、ほぼ問題ありません。
60kmの速度を超えて、走行した場合、速度超過で捕まる可能性があります。
最高速度違反の検挙状況
出典:警察庁交通局『令和2年中の交通死亡事故の発生状況及び
道路交通法違反取締り状況等について』の統計から円グラフを作成
上記は、令和2年中の最高速度違反で検挙された人数を速度別で分けた円グラフです。
上記データは原付だけのものではなく、自動車等や自動二輪車も含めたものですが、原付乗りの方にも参考になると思います。
最高速度が15km未満の超過でも、非常に少数ながら、検挙されている人がいることがわかります。
ただ、15~20km未満の速度超過から、格段に検挙人数が増加していることから、基本的には時速15km以上のスピード違反で取り締まりをするようになっているようです。
原付の速度違反の点数
違反行為の種類 | 点数 |
速度超過 | 50km以上=12点、30km以上50km未満=6点、25km以上30km未満=3点、20km以上25km未満=2点、20km未満=1点 |
原付の速度違反の点数は、1~12点です。
50cc以下の原付の法定最高速度は30kmですので、50kmまでのスピード違反であれば1点です。50~55kmまでで2点、55~60kmまでで3点、60~80kmまでで6点、80km以上出して走行しており捕まった場合、12点です。
行政処分歴なしでも6点で免許停止ですので、時速60km以上のスピードで走っていて捕まった場合、一発で30日間の免許停止です。
時速80km以上のスピードを出して捕まった場合、一発で90日間の免許停止です。
【参考】免停とは?違反点数と停止期間!前歴なしでも6点で停止処分
原付の速度違反の反則金・罰金
違反行為の種類 | 反則金額・罰金 |
速度超過(30km以上) | 罰金(最大で10万円) |
速度超過(25~30km未満) | 1万2千円 |
速度超過(20~30km未満) | 1万円 |
速度超過(15~20km未満) | 7千円 |
速度超過(15km未満) | 6千円 |
原付の速度違反での罰則は点数だけではありません。
反則金(青切符)や罰金(赤切符)の罰則もあります。
原付一種(~50cc)に乗っており、時速60kmの走行で捕まった場合は赤切符で、罰金刑です。
危険認知速度別死亡事故率
上記は、危険認知速度別死亡事故率を表しています。
危険認知速度とは、事故当事者が危険を認知した時の速度で、ブレーキ・ハンドル操作などの事故回避行動をとる直前の速度のことです。
上記の表を見てもらえばわかる通り、当然ですが、危険認知速度が上がるほど、死亡率が高くなっているのがわかります。
上記は原付だけでなく、自動車も含んだ統計ですが、それでも時速30km以下と時速40km以下の死亡率を比較すると、2倍近くの数値の差があることがわかります。(0.9÷0.5=1.8)
原付の法定最高速度の時速30kmの法改正が多くの運転者から望まれていますが、上記の危険認知速度別死亡事故率を見ますと、それはなかなか実現しないだろうなという気がします。
バイクの死亡事故原因
上記は警視庁が発表した東京都内の二輪車の交通死亡事故統計の中で、死亡事故原因を表しています。
最も多いのが単独事故で、二番目に多いのが右折時の事故となっています。
単独事故でなぜ死亡してしまうのかと言えば、やはり、速度超過が原因であることが多いです。
特に早朝などの交通量が少ない時間帯においては、どうしてもスピード違反をしがちで、その結果、カーブで曲がり切れずにガードレールなどに衝突して死亡してしまうケースが多いです。
よく原付は時速30kmなので巻き込み事故の危険性が高く、法改正をという声がありますが、上記の表を見てみると、それ以外の事故原因で死亡している割合が高く、仮に法定最高速度を30kmから40kmにしたとすると、危険認知速度と死亡事故原因の関係性で、死亡事故の割合や死亡事故数が上がると考えられます。
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