このページでは、バイク・原付の積載制限を解説しております。
積載量は法律(道路交通法)によって定められており、50cc以下の原付と50cc超のバイク(中型・大型バイク含む)では、積載物の重量において違いがあるため、それぞれ分けて解説したいと思います。
※下記で詳しく解説しますが、積載物の長さ、幅、高さにおいては、50cc以下の原付と50cc超のバイクにおいて違いはありません。
バイク・原付の積載量の法律
バイク・原付の積載量は法律によって定められています。
具体的には、長さ・幅・高さ、そして重量に制限があります。
その法律とは何かと言うと、道路交通法施行令第二十二条の『自動車の乗車又は積載の制限』と第二十三条の『原動機付自転車の乗車又は積載の制限』です。
その2つには、バイク・原付の長さ・幅・高さ、重量、そして乗車人員が定められています。
そこから乗車定員に関する条文を除くと、以下のように書かれています。
まず道路交通法施行令第二十二条の『自動車の乗車又は積載の制限』です。
(自動車の乗車又は積載の制限)
第二十二条 自動車の法第五十七条第一項の政令で定める乗車人員又は積載物の重量、大きさ若しくは積載の方法の制限は、次の各号に定めるところによる。二 積載物の重量は、自動車(ミニカー、特定普通自動車等及び小型特殊自動車を除く。)にあつては自動車検査証、保安基準適合標章又は軽自動車届出済証に記載された最大積載重量(大型自動二輪車及び普通自動二輪車で乗車装置又は積載装置を備えるものにあつては六十キログラム、第十二条第一項の内閣府令で定める大きさ以下の原動機を有する普通自動二輪車がリヤカーを牽けん引する場合におけるその牽けん引されるリヤカーについては百二十キログラム)を、ミニカーで積載装置を備えるものにあつては九十キログラムを、特定普通自動車等で積載装置を備えるものにあつては千五百キログラムを超えない範囲内において内閣府令で定める重量を、小型特殊自動車で積載装置を備えるものにあつては七百キログラムをそれぞれ超えないこと。ただし、前号の締約国登録自動車にあつては、車両の保安基準に関する規定により定められる最大積載重量を超えてはならないものとする。
三 積載物の長さ、幅又は高さは、それぞれ次に掲げる長さ、幅又は高さを超えないこと。
イ 長さ 自動車の長さにその長さの十分の二の長さを加えたもの(大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあつては、その乗車装置又は積載装置の長さに〇・三メートルを加えたもの)
ロ 幅 自動車の幅にその幅の十分の二の幅を加えたもの(大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあつては、その乗車装置又は積載装置の幅に〇・三メートルを加えたもの)
ハ 高さ 三・八メートル(大型自動二輪車、普通自動二輪車及び小型特殊自動車にあつては二メートル、三輪の普通自動車並びにその他の普通自動車で車体及び原動機の大きさを基準として内閣府令で定めるものにあつては二・五メートル、その他の自動車で公安委員会が道路又は交通の状況により支障がないと認めて定めるものにあつては三・八メートル以上四・一メートルを超えない範囲内において公安委員会が定める高さ)からその自動車の積載をする場所の高さを減じたもの
四 積載物は、次に掲げる制限を超えることとなるような方法で積載しないこと。
イ 自動車の車体の前後から自動車の長さの十分の一の長さ(大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあつては、その乗車装置又は積載装置の前後から〇・三メートル)を超えてはみ出さないこと。
ロ 自動車の車体の左右から自動車の幅の十分の一の幅(大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあつては、その乗車装置又は積載装置の左右から〇・一五メートル)を超えてはみ出さないこと。引用:道路交通法施行令第二十二条『自動車の乗車又は積載の制限』
続いて、第二十三条の『原動機付自転車の乗車又は積載の制限』です。
(原動機付自転車の乗車又は積載の制限)
第二十三条 原動機付自転車の法第五十七条第一項の政令で定める乗車人員又は積載物の重量、大きさ若しくは積載の方法の制限は、次の各号に定めるところによる。二 積載物の重量は、積載装置を備える原動機付自転車にあつては三十キログラムを、リヤカーを牽けん引する場合におけるその牽けん引されるリヤカーについては百二十キログラムを、それぞれこえないこと。
三 積載物の長さ、幅又は高さは、それぞれ次に掲げる長さ、幅又は高さをこえないこと。
イ 長さ 原動機付自転車の積載装置(リヤカーを牽けん引する場合にあつては、その牽けん引されるリヤカーの積載装置。以下この条において同じ。)の長さに〇・三メートルを加えたもの
ロ 幅 原動機付自転車の積載装置の幅に〇・三メートルを加えたもの
ハ 高さ 二メートルからその原動機付自転車の積載をする場所の高さを減じたもの
四 積載物は、次に掲げる制限をこえることとなるような方法で積載しないこと。
イ 原動機付自転車の積載装置の前後から〇・三メートルをこえてはみ出さないこと。
ロ 原動機付自転車の積載装置の左右から〇・一五メートルをこえてはみ出さないこと。引用::道路交通法施行令第二十二条第二十三条『(原動機付自転車の乗車又は積載の制限)』
上記の条文を簡単にまとめると、以下のようになります。
最大積載量:60kg(50cc超のバイク)、30kg(50cc以下の原付)
長さ(前後のはみ出し):乗車装置又は積載装置の長さに加えて30cmまで(50cc超のバイク)、積載装置の長さに加えて30cmまで(50cc以下の原付)
幅:乗車装置又は積載装置の幅+左右0.15m以下(50cc超のバイク)、積載装置の幅+左右0.15m以下(50cc以下のバイク)
高さ:地上から2m以下
上記の乗車装置とは、シートやステップを指し、積載装置とは荷台(キャリア)を指します。
簡単にまとめても、文章ばかりでイメージが湧きにくいと思いますので、以下、50cc以下の原付と50cc超のバイク(中型・大型バイク含む)での積載制限についてイラストで見ていきましょう。
50cc以下の原付の積載制限
50cc以下の原付の積載制限は以下の通りです。
最大積載量
50cc以下の原付の最大積載量は30kgです。
50cc超のバイクとの積載制限の違いにおいて、ここが大きく異なるところです。
原付の法定最高速度は30kmですので、最大積載量も同じ数字である30kgと覚えれば、忘れにくいと思います。
幅の制限
50cc以下の原付の幅の制限は、荷台プラス左右で15cmの幅です。
長さと高さの制限
50cc以下の原付の長さの制限は、荷台の長さにプラスして30cmで、高さの制限は地上から2m以下です。
50cc超のバイク(中型・大型バイク含む)の積載制限
50cc超のバイク(中型・大型バイク含む)の積載制限は以下の通りです。
※50cc超なので、当然、90ccや125ccクラスの原付二種もここに含まれます。
最大積載量
50cc超のバイク(中型・大型バイク含む)の最大積載量は60kgです。
50cc超のバイク(中型・大型バイク含む)の法定最高速度は60kmですので、最大積載量も同じ数字である60kgと覚えれば、忘れにくいと思います。
幅の制限
50cc超のバイク(中型・大型バイク含む)の幅の制限は、乗車装置又は積載装置の幅プラス左右で15cmの幅です。
長さと高さの制限
50cc超のバイク(中型・大型バイク含む)の長さの制限は、乗車装置又は積載装置の長さにプラスして30cmで、高さの制限は地上から2m以下です。
2022年5月13日から自動車は積載制限が変わるがバイクに変更はなし
画像引用:警察庁・都道府県警察
2022年5月13日から自動車の積載制限の一部が改正されました。
少し詳しい方であれば、道路交通法の区分において、自動車というのは50cc超の二輪も含まれますので、ひょっとしてバイクの積載も変わったのではないかと不安に思った方もいるかと思います。
ですが、新しくなった道路交通法施行令第二十二条『自動車の乗車又は積載の制限』を確認しましたが、大型自動二輪車及び普通自動二輪車においては積載制限に変更はありませんでした。
※道路交通法の車両区分において、大型自動二輪車は400cc超、普通自動二輪車は50cc超を指します。
どこを具体的に確認したかというと、大型自動二輪車及び普通自動二輪車は括弧書きで、自動車とは別に書かれており、そこの数字を確認しました。
イ 長さ 自動車の長さにその長さの十分の二の長さを加えたもの(大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあつては、その乗車装置又は積載装置の長さに〇・三メートルを加えたもの)
ロ 幅 自動車の幅にその幅の十分の二の幅を加えたもの(大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあつては、その乗車装置又は積載装置の幅に〇・三メートルを加えたもの)引用:道路交通法施行令第二十二条『自動車の乗車又は積載の制限』
上記の『大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあつては』の箇所です。
ちなみに、大型自動二輪車及び普通自動二輪車を除く自動車においては、以下のように変更となりました。
- 「自動車の長さにその長さの10分の1の長さを加えたもの」→「自動車の長さにその長さの10分の2の長さを加えたもの」
- 「自動車の幅」→「自動車の幅にその幅の10分の2の幅を加えたもの」
つまり、幅も長さも車両の1.2倍まで積載可能になったということです。
サイドバッグやトップケースは積載装置?
積載装置とは、荷台(キャリア)と上述しましたが、サイドバッグやトップケースは積載装置に含まれるのでしょうか?
結論から申し上げますと、サイドバッグやトップケースも積載装置に含まれます。
それもそのはずで、市販のサイドバッグには15cmを超えるものも販売されており、もしも積載装置に含まれないとすると、そのサイドバッグを装着した時点で違反となってしまいます。
ですので、以下のようなバッグやケース等は積載装置に含まれます。
- サイドバッグ
- トップケース
- タンクバッグ
- パニアケース
ちなみに、法律(道路運送車両の保安基準)では以下のように定められています。
(物品積載装置)
第二十七条 自動車の荷台その他の物品積載装置は、堅ろうで、かつ、安全、確実に物品を積載できるものとして、強度、構造等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。引用:道路運送車両の保安基準第二十七条
バイク・原付の積載に関する違反点数・反則金
違反行為の種類 | 点数 | 反則金・罰金 |
積載物大きさ制限超過違反 | 1点 | 6千円(二輪車)、5千円(原付車) |
積載物重量制限超過 (10割以上) |
3点 | 3万円(二輪車)、2万5千円(原付車) |
積載物重量制限超過(5割以上10割未満) | 2点 | 2万5千円(二輪車)、2万円(原付車) |
積載物重量制限超過(5割未満) | 1点 | 2万円(二輪車)、1万5千円(原付車) |
乗車積載方法違反 | 1点 | 6千円(二輪車)、5千円(原付車) |
転落等防止措置義務違反 | 1点 | 6千円(二輪車)、5千円(原付車) |
転落積載物等危険防止措置義務違反 |
1点 | 6千円(二輪車)、5千円(原付車) |
番号標表示義務違反 | 2点 | 最大で50万円以下の罰金(二輪車)、5千円(原付車) |
バイク・原付の積載に関する違反には上記のような種類があります。
まず積載物大きさ制限超過違反ですが、これは上述した積載制限の大きさを超えた荷物を載せて運転してしまった時に科される罰則です。
積載物重量制限超過は、積載制限の最大積載量(原付なら30kg、50cc超のバイクなら60kg)をオーバーして運転してしまった時に科される罰則です。
どれくらい超過したかの度合いによって、反則点数及び反則金の金額が変わってきます。
続いて、乗車積載方法違反ですが、これは荷物を所定の積載装置以外の場所に載せて運転してしまった時に科される罰則です。
例えば、スクーターの足元に荷物を置いて運転してしまった時などは、乗車積載方法違反です。
※装備されているコンビニフックで吊っている状態であれば大丈夫です。
転落防止装置義務違反とは、ロープやネット等で荷物をしっかり固定しないで運転してしまった時に科される罰則です。
また固定していたとしても、荷物を落としてしまい、後続車などの走行に危険を及ぼした際は転落積載物等危険防止措置義務違反となってしまいます。
最後に番号標表示義務違反ですが、これはナンバープレートが見えない状態で走行してしまった時に科される罰則です。
荷物などでナンバープレートが隠れてしまった場合も、文字や数字が判読できなくなってしまうので、気を付けなければなりません。
バイク・原付の積載量を増やすにはバイクバッグ・ケースがオススメ
バイク・原付の積載量を増やすには、積載装置に含まれるバイクバッグ・ケースがオススメです。
ベルトやロープ、ネット等で荷物を固定する場合、すぐに積載制限に引っ掛かってしまいます。
もちろん、ベルトやロープ、ネットなどは手軽でいいのですが、積載容量という点においてはデメリットが大きいです。
荷物量が多いキャンプツーリング、釣り、カメラ・薪・工具の持ち運びなどでは、バイクバッグ・ケースを利用するようにしましょう。
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